2022年度KC’s通常総会・総会記念シンポジウムを開催しました
2022.06.29(No.10001194)
 6月25日(土)マイドームおおさか8階第1・第2会議室にて2022年度消費者支援機構関西(KC’s)の通常総会を開催しました。
 2022年度の通常総会及び総会記念シンポジウムは、新型コロナウイルス感染症対策として、会場とWeb会議システムを併用して開催しました。
 当日は「実出席」「書面出席」「委任出席」をあわせ、表決権総数108に対して104の表決権のもとで議事を行いました。通常総会は、実出席・Web出席を合わせ60名近い参加をいただくなかで開催することができました。

●2022年度通常総会
 司会を中村夏美KC's常任理事が務め、藤井克裕KC's理事長からの開会挨拶をもって通常総会を開会しました。
 総会の議長にKC's個人正会員の西塚直之さんが選任されました。議事録署名人はKC's個人正会員の田中雅代さん及び藤井克裕理事長のお二人が選任されました。
 総会議案提案は、飯田秀男KC's副理事長兼事務局長より第1号議案(2021年度事業報告承認の件)、第2号議案(2021年度決算承認の件)、第3号議案(役員選任の件)を提案し、2022年度事業計画、2022年度活動予算を報告しました。
 続いて、花光昇KC's監事から監査報告があり、藪野恒明調査実施者より消費者契約法第31条に基づく調査報告がありました。これを受け、採決に移り、全議案が可決されました。
 その後、藤井克裕理事長より、新役員体制の紹介がありました。新たに理事として小林紀久子さん、松尾善紀さんが選任され、松岡久雄理事の退任に伴う補充として江見淳さん、伊吹和子理事の退任に対して岡本孝子さん、高取淳理事の退任に対して西島秀向さんが、理事として選任されました。2022年度は以下の役員体制で活動に取り組んでいきます。

 ≪成立状況≫
    ●表決権総数108:出席合計104(出席率96.3%)
    〇団体正会員 13:出席合計 13(実出席5、書面出席6、委任出席2)
    〇個人正会員 95:出席合計 91(実出席16、書面出席60、委任出席15)
 ≪採決結果≫
     第1号議案 2021年度事業報告承認の件  賛成多数で可決
     第2号議案 2021年度決算承認の件    賛成多数で可決
     第3号議案 役員選任の件          賛成多数で可決

    2022年度KC’s役員体制
    理事長 (代表理事) 藤井克裕
    副理事長(代表理事) 片山登志子
    副理事長       飯田秀男
    常任理事       坂東俊矢     中村夏美   二之宮義人
    理事         浅田奈津子    有地淑羽   
               江見淳(新任)  岡本孝子(新任)
               カライスコス アントニオス     五條操
               神野武美     西島秀向(新任)
               松尾善紀(新任) 樋口容子
               米田覚 
    理事・事務局長    小林紀久子(新任)
    監事         花光昇      川村哲二


●総会記念シンポジウム「KC’sの活動から見えてきた被害回復請求の限界と展望」
 通常総会終了後、KC’sで活動いただいている理事・検討委員をパネリストとし、記念シンポジウムを開催しました。ZOOMのウェビナーを⽤いたオンライン会議として企画しましたが、100名を超える参加をいただきました。
 【パネリスト】

   坂東 俊矢  KC's常任理事
   五條 操   KC’s被害回復検討委員会委員長
   田中 雅代  KC’s被害回復検討委員会委員   
 【コーディネーター】
 
   二之宮 義人 KC’s常任理事

 開会にあたり、二之宮義人さんより、今回のシンポジウムの位置づけについて提起がありました。この間の消費者法の改正はKC’sの活動にも大きな影響を与えていますが、今回は、KC’sのこれまでの取組事例を基に、消費者法の下、消費者被害の回復に取り組む上での課題、今後の方向性について考える場としようと呼びかけられ、それぞれの立場から意見交流が行われました。
*特定適格消費者団体の役割 
 坂東俊矢さんからは、特定適格消費者団体の役割について解説いただきました。
 今年5月消費者裁判手続特例法の改正が行われましたが、被害回復の対象範囲として慰謝料の追加や、事業者以外に個人も被告にできるようになります。また、行政等との情報連携という面では、内閣総理大臣は特定商取引法又は預託法に基づく処分に関して作成した書類で内閣府令で定めるものを提供することができるようになりました。これまで十分に情報提供が得られないケースもある中では一歩前進ですが、行政の情報提供と適格消費者団体・特定適格消費者団体の連携に関する面から課題についてお話しいただきました。
*KC’sで取り組んだ事例から
 五條操さんからは、KC‘sで取り組んだ「ハイオクガソリンの不当表示」、「消費者庁による処分の事後的取消」の事例を基に課題についてお話いただきました。
 ともに、消費者被害の回復活動に関して消費者庁に情報連携を求めたものですが、現状では十分な成果にはつながっていません。行政との情報連携での課題について考える場となりました。
*消費者相談の現場から考える消費者目線
 田中雅代さんからは、消費生活相談センターに寄せられる被害の実情から、KC’sの取組についての意見をお話しいただきました。
 消費者被害の実態が表に出ない背景には、金額も少額なので個人としては、手間をかけられないといった実情や、被害回復を主張できる権利があるのか、どこに相談すればよいかわからないということもあります。個々の被害は少額でも、全体被害は相当に大きいという事案は多々あります。不当な事業者が利益を得る問題は看過できません。まずは多くの消費者に被害回復制度について知ってもらうことの必要性を訴えられました。