KC’s 2013年度通常総会&記念シンポジウム「新しい消費者被害救済制度とKC’sの役割」を102人の参加者で開催しました。
2013.06.24(No.10000383)

2013年6月22日(土)13:30~17:00に2013年度通常総会&記念シンポジウムをエルおおさか南ホールで開催しました。

○2013年度通常総会
 総会では、西島秀向事務局長が、2012年度事業報告(第1号議案)、決算報告(第2号議案)、役員選任(第3号議案)と定款変更(第4号議案)を提案しました。続いて、2013年度事業計画・活動計算書について報告しました。西島事務局長は「2013年度は、集団的消費者被害訴訟制度は予定より1年遅れ国会に提案されたものの、成立するかどうかは予断を許さない状況です。また施行までの周知期間が3年とされています。各適格消費者団体とともに消費者にとって使いやすい制度となるよう提言し、制度が十分に機能するよう周知徹底を進めます。KC’sとして特定適格消費者団体の認定申請にむけて必要な検討・準備を行っていきます。」と報告しました。
 「『公正な市場づくり』を願う消費者・事業者・行政とのネットワークを強め“広く消費者とつながる”活動に重点を置き、取組みをすすめていきます。」と今年度の活動方針を報告しました。
 質疑では、他の消費者団体等とのネットワーク活動を教えてほしいとの要望があり、説明しました。また、計画・予算は報告事項でなく審議事項とすべきではないかとの意見がありました。受けとめて理事会で議論するとの答弁がありましたが、理事者が柔軟対応をするため報告事項としている旨の説明が監事よりありました。
 今年改選の役員については理事の安本正男さん、監事の三木秀夫さんが退任され、新たに理事として中村夏美さん、藤原以久子さん、監事として川村哲二さんが就任しました。榎彰德理事長をはじめその他役員は重任となりました。


≪採決結果≫  出席表決権数98票/表決権総数114票
第1号議案 2012年度事業報告承認の件 賛成多数で可決
第2号議案 2012年度決算承認の件   賛成多数で可決
第3号議案 役員選任の件        賛成多数で可決
第4号議案 定款変更の件  出席表決権数の2/3以上の賛成多数で可決

○総会記念シンポジウム
 記念シンポジウムでは、消費者団体訴訟制度のもとでKC’sが認定をうけて6年が経過しました。その到達と国会で審議されている集団的消費者被害回復に係る訴訟制度の中身を報告し、展望について意見交換しました。

 KC’s常任理事の坂東俊矢京都産業大学大学院法務研究科教授・弁護士が「消費者団体訴訟制度と適格消費者団体」をテーマに基調報告をしました。消費者団体訴訟制度ができた経過、適格消費者団体の歩み、新訴訟制度の展望についてパワーポイントを使ってわかりやすく説明をしました。

 シンポジウムのメインテーマである集団的消費者被害回復訴訟制度(消費者裁判手続き特例法案)の概要をKC’s新制度プロジェクトチーム事務局長の黒木理恵弁護士が、一段階目で勝訴すれば二段階で該当の消費者が参加し被害を集団的に回復する制度との説明があり、特徴、進捗状況や今後の準備で必要な体制整備や予算確保などについて説明しました。
 
 後半のパネルディスカッションは、パネリストにひょうご消費者ネット理事の酒井富美子さん、前京都府消費生活安全センター長の足立敏さん、KC’s検討委員長の五條操弁護士、コーディネーターをKC’s常任理事の二之宮義人弁護士が担当しました。
 パネルディスカッションでは、「差止請求活動に対する評価(成果と苦労)」「新制度に対する期待と懸念」に対してそれぞれの立場から発言いただきました。適格消費者団体はこれまで公益的な活動をし、大きな成果を上げているが、国による財政支援などはほとんどなく、関係者のボランティアに支えられていることについて各パネリストから指摘がありました。また、今後、特定適格消費者団体への支援や新訴訟制度を消費者にいかに知らせていくか等について、白熱した議論が繰り広げられました。
 会場からは、消費者問題特別委員会の上西小百合衆議院議員、内閣府消費者委員会の河上正二委員長、適格消費者団体を目指す熊本の原彰宏弁護士、国府泰道弁護士、麗澤大学の髙厳教授にご発言いただきました。新訴訟制度が有効活用できるよう活動していくことを確認し、シンポジウムを終了しました。

 最後に、まとめとして片山登志子KC’s副理事長より消費者市民社会の実現のために奮闘していく決意がのべられました。