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2025年12月5日、大阪高等裁判所において株式会社ラドルチェに対する共通義務確認訴訟の控訴審判決が言い渡されました。判決では対象消費者に対する制限の立証責任は被告側が負うことになる、という前進はあったものの、当団体は上記判決を不服として同年12月17日、上告を行いました。
1.当団体が不服とした点
上告が必要と判断した主な理由は下記の2点です。
①対象消費者に対する制限が引き続き維持されたこと
②対象消費者に対する制限の理由とされたクーリング・オフに対する法的解釈に容認できない部分があること
2.当団体の見解
①に関しては、セルフサービスに変更となった2021年10月15日の時点で、最終利用日から1年以上経過していた契約者は、救済の対象から除外されてしまうことになります。当時はコロナ禍の最中であり、多くの方が制限の対象となってしまう可能性があります。
②に関しては、控訴審判決では制限の理由を2021年10月15日より前の時点で契約が終了している消費者は、「不利益を全く受けておらず」クーリング・オフの対象とはならないとしています。クーリング・オフは、取消権の効果よりも消費者保護を徹底した「無理由解除権」であり、不利益を受けたかどうかによって解除の可否が左右されるものではないと考えられています。控訴審判決の立場は、極めて異例のものであると当団体は判断しています。
上記の理由から、今回の控訴審判決は、被害者の救済及び消費者全体の利益擁護の観点から見過ごせない点があると当団体は判断し、上告したものです。