ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社が提供する「リステリン」の商品ラベル等の表記の差止めを求め「申入書」を送付しました。
2023.08.29(No.10001282)
 当団体は、同社が販売する「リステリン」ブランドの商品(以下「リステリン」といいます。)の商品ラベル及びウェブサイトでの表示にある、「殺菌力」「マウスウォッシュ売上」「Nо.1」といった文言は、消費者の誤認を招くおそれがあることから、同社に対し2023年2月1日付け「お問合せ」を送付しました。
 これに対し回答期限を越えても返信をいただけなかったことから、同社にお尋ねしたところ、当方より送付した「お問合せ」の着荷を確認できなかったとのことでしたので、3月14日付けで改めて「お問合せ」を再送付しました。これに対しては期限内での回答をいただきました。
 当団体において、同社からの回答を検討した結果、「リステリン」の表示については、不当景品類及び不当表示防止法上の問題があるものとの判断に至りました。そこで当団体は、下記の通り8月28日付けで「申入書」を送付しました。

■申入れの趣旨
 小売店の店頭にてリステリン本体上部に貼付されている商品ラベル及びリステリン本体の上部に貼付されている商品ラベルに印刷されている表示に関し、1枚の商品ラベルの中に、「殺菌力」との表示と「Nо.1」との表示を同時に行うことの停止を求めます。

■申入れの理由
 商品ラベルにおける「殺菌力」という表示と「Nо.1」という表示の文字が大きく、かつ、これらの表示相互の位置関係から見て、一見してそれらの表示が主語と述語の関係(殺菌力がNо.1であるという表示)にあると読み取れるような表示となっています。

 他方で、商品ラベルにおいて、「Nо.1」の表示の左肩に印刷されている「マウスウォッシュ売上」の表示は、「殺菌力」及び「Nо.1」の表示に比べて著しく小さい文字で印刷されており、「マウスウォッシュ売上」の表示と「Nо.1」の表示は一見して主語と述語の関係「(殺菌力ではなく)売上がNо.1である」にあると読み取ることは困難な表示となっています。
 したがって、上記商品ラベルを目にした消費者は、「リステリンの『殺菌力』は類似商品の中でも『Nо.1』である」と誤認するおそれがあると考えられます。

 この点、「リステリンの『殺菌力』が類似商品の中で『Nо.1』である」ことを裏付けるデータ等が存在するわけではないことから、上記各表示は、「実際のもの…よりも著しく優良であると誤認される表示」(不当景品類及び不当表示防止法30条1項1号)に該当します。
 よって、当団体は、不当景品類及び不当表示防止法30条1項1号に基づき、商品ラベルの表示の停止を申し入れました。