2020年度双方向コミュニケーション研究会第2回勉強会を開催しました
2020.10.27(No.10001039)

講師:泉 裕章氏
 2020年10月9日(金)13時30分より、双方向コミュニケーション研究会第2回勉強会をWeb(Zoom)にて開催し、28名が参加しました。
 第2回勉強会は住友生命保険相互会社(以下「住友生命」といいます。)お客さま本位推進部部長の泉裕章氏を招いて、「事業者から見た『消費者・事業者双方向コミュニケーション』~事業者 として、 何ができるか、何をなすべきか~」と題して講演を行っていただき、その後グループで論議を行い質問をまとめて質疑応答を行いました。
 講演では、はじめに、保険業界におけるいわゆる「不払い問題」について説明がありました。業界全体におよぶこの問題は、「消費者の立場への配慮が不足していたことが根本原因」であり、そのことをきっかけとして、現在の消費者への活動があると述べられました。住友生命では、①「相手のことを考える」とは、「I think about you」ではなく、「If I were you」の発想で考えなければならないこと②「伝える」と「伝わる」の間には大きな隔たりがあり、消費者にとっては事業者の「伝える」ための行動よりも結果として「伝わる」ことが大事であること。「伝わる」には双方向コミュニケーションが不可欠であることを、実例と実感をもって語っていただきました。住友生命では、これらに基づいて「行動規範」を制定されているとのことです。
 また、痛い目に遭った事業者あるいは業界だからこそもつ「強み」として、経営の中に消費者目線を採り入れるという、差し迫ったきっかけを得ることができること。そして、失敗を「記述」「記録」「知識化」「伝達」することも、その事業者の「責務」であると述べられました。
 最後に、双方向コミュニケーションを事業者に広めていくためのヒントとして、企業活動の行動指針の中への取入れや、企業価値を高めるための定量的な数字や金額への落込みがあると、事業者が動きやすくなるのではないか、と提起されました。
 講演を受けたグループ論議の中から出された「住友生命で具体化されていることを教えてほしい」「痛い目を『強み』『責務』として活かしている事業者とそうでない事業者の違いは?」といった質問に対しても丁寧に答えていただきました。
 事業者としての失敗、それを通じて消費者目線を取り入れ、コミュニケーションの大切さや意味を血肉化された報告に、事業者のみならず消費者からも高い評価を得た勉強会でした。
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