【注意喚起】「簡易生命保険契約」に関するご注意
2020.02.10(No.10000980)
【注意喚起】「簡易生命保険契約」に関するご注意

「簡易生命保険契約」の契約者の方は、以下の点に十分にご注意ください。
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●「簡易生命保険契約」は、日本郵政公社が扱っていた保険契約で、2007(平成19)年9月30日
 以前に契約されたものです。
★「簡易生命保険契約」は、現行(郵政民営化(2007年10月1日)後)の「かんぽ生命保険契約」
 とは全く別の保険契約です。
★「簡易生命保険契約」は、「かんぽ生命保険契約」や一般の生命保険契約とは、保険金の受取人の範囲
 が異なります。

●「簡易生命保険契約」では、保険金受取人が既に死亡している場合、もしくは、保険金受取人欄が空欄
 の場合、保険金受取人は、簡易生命保険の約款が定める「被保険者の遺族」となりますが、ここでいう
 「被保険者の遺族」は、民法に規定する「被保険者の相続人」とは異なります。
★「簡易生命保険契約」の「被保険者の遺族」には、「被保険者の相続人」であっても、被保険者の扶助
 によって生計を維持していたなどの事情がなければ、被保険者のひ孫・甥姪(おいめい)等は含まれま
 せん。

●「簡易生命保険契約」では、「被保険者の遺族」にあたる人がいないときには、「被保険者の相続人」
 がいても、保険金は支払われず、その保険金は他の加入者の配当原資に充てられます。

●「簡易生命保険契約者」の方は、今一度、保険金受取人が指定されているかどうかをご確認いただき、
 指定した「保険金受取人」が死亡されている場合には、直ちに、新たな保険金受取人を指定するように
 してください。

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 消費者支援機構関西(KC’s)では、独立行政法人 郵便貯金・簡易生命保険管理機構(以下、「機構」といいます。)に対し、上記の点に関する「簡易生命保険契約」の契約者への周知徹底のため、保険金の受取人についての告知をめぐる問題につき、書面にて要請を続けてきました。
 「簡易生命保険契約」と「かんぽ生命保険契約」とで保険金受取人の範囲に違いがあることは、ほとんどの人には知られておらず、「簡易生命保険契約」の保険金受取人の範囲は、現行の「かんぽ生命保険契約」と全く同じであると思っている人がほとんどです。
 機構が「簡易生命保険契約」の契約者に交付している「ご契約ハンドブック」等は、「かんぽ生命保険契約」の契約者にも交付されていること、これらの冊子は文字数や情報量が多く、一般消費者が読んでも理解しづらいことから、両契約の保険金の受取人の範囲が全く異なるという、両契約の重大な違いに一般消費者は気付かないままでいるという問題点があります。
 そこで、KC’sでは、機構に対し、その問題点につき、簡易生命保険の契約者に個別に告知し、店頭ポスターやチラシなどで周知するよう繰り返し要請してきました。
 しかしながら、機構からは、その点につき、前向きな回答が得られませんでしたので、KC’sが注意喚起を行うものです。

【問題点】
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 「簡易生命保険契約」でいうところの「被保険者の遺族」には、民法における代襲相続と同様の仕組みはなく、被保険者の扶助によって生計を維持していたなどの事情がなければひ孫・甥姪(おいめい)等は含まれません。
 (2007年10月以降の「かんぽ生命保険契約」では、民法上の「被保険者の相続人」が受取人となり、ひ孫・甥姪(おいめい)等も保険金を受け取ることができます。)

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簡易生命保険契約の「被保険者の遺族」とは、次の人を言います。
順位1 被保険者の配偶者(法律上の婚姻関係がなくても事実上婚姻関係と同様の事情にあるものを含む)
順位2 被保険者の子
順位3 被保険者の父母
順位4 被保険者の孫
順位5 被保険者の祖父母
順位6 被保険者の兄弟姉妹
順位7 被保険者の死亡当時、被保険者の扶助によって生計を維持していた者
順位8 被保険者の死亡当時、被保険者の生計を維持していた者


 保険金受取人の指定がない場合、「被保険者の相続人」であっても「被保険者の遺族」にあたらない場合には保険金を受け取ることはできません。
 この「被保険者の遺族」には、被保険者の扶助によって生計を維持していたなどの事情がなければ、保険金の受取人となりうるひ孫・甥姪(おいめい)等が含まれません。
 つまり、ひ孫・甥姪(おいめい)等が「被保険者の相続人」となる場合でも、被保険者の死亡当時、「被保険者の扶助によって生計を維持していた」、「被保険者の生計を維持していた」などの事情がなければ、保険金を受け取ることはできません。
 また、保険金受取人の指定があっても、その指定された人が既に死亡していた場合は、保険金受取人が指定されていないことになり、同様に、「被保険者の遺族」が保険金受取人になります。
 契約者の意図に反して、このような状況になった事例が現実に存在し、KC’sでも情報提供を受けています。
 そこで、今一度、簡易生命保険の契約者の方は、ご自身の契約内容をご確認いただき、保険金受取人が指定されているか、もし、保険金受取人が既に死亡されている場合は、直ちに、保険金受取人を指定するようにしてください。