当団体は、被害を受けた消費者に代わり、被害金を取り戻す訴えを起こすことができる特定適格消費者団体です。２０１７年１１月７日消費者庁より措置命令を受けた「葛の花由来イソフラボン」を配合した機能性表示食品の販売業者１５社に対し、申入れ活動を行いました。主な申入れ内容は、①購入者に返金に応じることを個別に通知すること、②（措置命令は消費者への返金を含まないので）消費者が希望する場合は返金等を行うこと、等です。その経過を報告します。

１　申入れ活動の経過
（１）消費者庁の措置命令
　消費者庁は、２０１７年１１月７日、「葛の花由来イソフラボン」を配合した機能性表示食品について、あたかも当該商品を摂取するだけで、誰でも容易に、内臓脂肪及び皮下脂肪の減少による、外見上、身体の変化を認識できるまでに腹部の痩身効果が得られるかのように示す表示（本件表示）を行ったことが、景品表示法に違反する優良誤認表示を行っていたものと認定し、販売業者１６社に対し、措置命令を行いました。　　
消費者庁のサイト参照
　http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_171107_0001.pdf

（２）当団体から販売業者に対する申入れ
　当団体は、本件表示の問題は、景品表示法に違反しているだけではなく、消費者契約法４条１項１号に定める「不実告知」に該当するものであり、本件表示を見た結果として、本件商品を摂取するだけで誰でも容易に内臓脂肪及び皮下脂肪の減少による、外見上、身体の変化を認識できるまでに腹部の痩身効果が得られるものと誤認して、当該商品を購入した消費者については、同号の規定によって購入契約を取り消して、すでに消費した分も含めて商品代金の返金を求めることができるものと判断いたしました。
　そこで、当団体は、２０１８年３月５日、１社を除く販売業者１５社に対し、以下の申入れを行いました。
　なお、申入れの対象から除外した株式会社ニッセンは、当団体の申入れ前に既に対象商品の購入者全員に対して返金する旨を個別に通知するとともに返金を実施されていました。

＜申入れ内容＞
① 措置命令の対象となった表示により対象商品を購入した消費者に対して
　ア）誤認して購入した場合は、すでに消費した分も含めて返金を求めることができる旨を個別に告知
　　すること。
　イ）対象商品を購入した消費者から購入代金の返金を求められたときは、直ちにこれに応じるととも
　　に、消費者の負担が少ない返金方法を提供すること。
② 当団体に対し①にかかる返金等の実施状況について定期的に報告すること。

２　申入れ活動の結果について
（１）購入者への個別通知と返金に応じた１１社
　当団体からの申入れに対し、１５社のうち１１社からは、「個別の購入者からの返金要請に応じる」「その旨を個別の購入者に通知する（通知した）」旨の回答がありました。また、当団体に対して返金の実施状況を定期的に報告していただけることとなりました。

（２）株式会社協和、株式会社全日本通教、日本第一製薬株式会社
　当団体からの申入れに対し、上記３社からは、次のとおり回答がありました。

＜株式会社協和＞
　「返金要請があった場合にはご要請どおり返金に応じております」
※なお、株式会社協和は、当団体に対して返金の実施状況を定期的に報告していただけることになっております。

＜株式会社全日本通教＞
　「当社にお問い合わせの連絡をいただきましたお客様に対しましては、個別に、本件商品代金の返金の対応をしております。」　

＜日本第一製薬株式会社＞
　「当社としては、消費者契約法第４条第１項第１号に基づく個別の消費者からの正当な返金請求に対して、個別にご返金を行って参りたいと考えております。」

（３）株式会社Ｎａｌｅｌｕ
　当団体からの申入れに対し、株式会社Ｎａｌｅｌｕからは、一切の回答がありませんでした。
　株式会社Ｎａｌｅｌｕについては、自社の商品表示によって生じた消費者の被害について、その回復に真摯に取り組もうとする姿勢が全くうかがえません。消費者の利益擁護及び消費者の救済のために本申入れ活動を行ってきた当団体としては、株式会社Ｎａｌｅｌｕの対応は誠に残念です。

※今回申し入れを行った１５社のうち株式会社Ｎａｌｅｌｕ以外の各社は、該当期間に販売された対象商品に関し、返金について対応するとのことです。購入された方は、返金をご希望される場合には、一度事業者に問い合わせをされることをお勧めします。
　上記（１）の１１社からは購入者に対して個別に通知がなされています。通知を確認の上、ご対応ください。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上