Windows10への無料アップグレードの進め方が、消費者の選択の権利を強引に奪うものとして、日本マイクロソフト(株)へ、「要請書」を送付しました。
2016.06.13(No.10000617)
 日本マイクロソフト(株)が進めているWindows10への無料アップグレードに関し、当団体に消費者からの情報提供があり、この情報を検討した結果、同社の行為が、消費者の選択の権利を強引に奪うものとして、2016年6月13日付で、同社に対して、「要請書」を送付しました。

 なお、本「要請」は、消費者契約法第12条に基づくものではなく、消費者団体としての任意の要請です。また、案件の規模と重要性を鑑みて、本「要請」については、公開の方式で行っています。

【要請の趣旨】
 Windows7、同8.1に表示される、Windows10へのアップグレードに関し、ユーザーに対しアップグレードを回避する方法を分かりやすく表示することを要請しました。
 また、アップグレードを複数回拒否したユーザーに対する、Windows10へのアップグレードを勧めるダイアログボックスの再表示の中止を要請しました。

【要請の理由】
 現在使用しているパソコンのアプリケーションソフトがWindows10に対応しないなど、様々な理由で、現行のWindows7、同8.1のままで使用したいユーザーが存在するにも関わらず、現在、Windows7、同8.1をOSとして使用しているパソコンにおいて、「MicrosoftではWindows10へのアップグレードをお勧めしています」とのダイアログボックスが頻繁に表示され、本年5月以降は、アップグレードの時間が強制指定されています。このアップグレードを回避するためには、ポップアップ表示を閉じるだけでなく、「ここをクリックすると~」の文字をクリックして、アップグレードの予定をキャンセルする必要があります。そのため、パソコンの操作に不慣れなユーザーは、アップグレードを回避することができず、自らの意思とは無関係に、あるいは、自らの意思に反してインストールされることになってしまい、その結果、多くのユーザーに混乱と実害が生じています。
 また、そもそも、どのOSを使用するかは、各ユーザーの自由意思に委ねられるものであり、同社が、ユーザーの要請もないのに勝手にアップグレードしたり、アップグレードの時間をユーザーに強制指定したりすべきものではありません。

※なお、その後、2016年6月22日に、消費者庁が「Windows 10 への無償アップグレードに関し、確認・留意が必要な事項について」と題する注意喚起を発表しました。
 消費者庁の注意喚起文書は こちら