住宅リフォーム事業者「株式会社ユウシマ住設」の工事請負約款等における条項に関する問題等の検討及び意見交換の結果の公表
2016.01.12(No.10000576)
 KC'sは、2013年8月29日、住宅リフォーム事業者である(株)ユウシマ住設(以下、「同社」といいます)に対し、工事契約や工事実施及び記録など、工事請負契約上の重要な書類等の状況とそれらについて発注者である消費者に対する説明等に関しての質問事項を含んだ「お問い合わせ」をしました。
その後、当団体は、同社との間で、約款の条項を中心に、書面による意見交換及び面談協議を行い、同社からは、2015年12月契約分から、現在の約款がなくなるまで書面を添付する旨連絡があり、添付文書を受領しました。
 同社は、当団体のお問い合わせ活動における指摘に対して一定の理解を示されるとともに、前述のとおり2015年12月1日をもって契約書を改正するなど、当団体の「お問い合わせ」活動に対して真摯に対応されたことに鑑み、当団体は、同社の約款に対する消費者契約法、特定商取引法に基づく差止請求を現時点では見合わせることとし、2016年1月をもって、同社に対する「お問い合わせ」活動をさしあたり一旦終了することにしましたので、以下のとおりご報告します。
 今後とも消費者にとって分かりやすい契約締結に努められるよう期待するとともに、今後、新たに、同社のリフォーム工事に関する問題等に関する情報があれば、別途対応させていただく場合があることを念のため付言いたします。
 以下に概要を記載します。

≪約款で改善を約束された主な点≫

1.施工のために第三者に損害を及ぼした際の対応について、「施主に過失がない場合はこの限りではな
  い」という一文が入りました。またその場合の工期の延長の請求について、「協議の上」という一文
  が入りました。
2.建物その他の土地の工作物施工上の瑕疵(但し、建物に関しては躯体工や雨水防水工事を行わないり
  フォーム工事は本項に含まない。)がある場合における瑕疵担保責任期間について、木造の建物につ
  いては1年間から5年間に、石造・金属造・コンクリート造及びこれらに関する建物、その土地の工作
  物若しくは地盤については2年間から10年間に、各々延長されました。
3.工事の追加、変更、不可抗力、関連工事の調整、その他正当な理由があるときの施主への工期の延長
  の請求について、「協議の上」という一文が入りました。
4.請負代金額の変更について、「協議の上」という一文が入りました。
5.約款上規定のない「丙」について削除されました。

<経過>

(1)2013年8月29日
   同社に対し、工事契約や工事実施及び記録など、工事請負契約上の重要な書類等の状況とそれらに
  ついて発注者である消費者に対する説明等に関して質問を伴う「お問い合わせ」を行いました。
  ・「お問い合わせ」(別紙 PDF
(2)2013年9月25日
   2013年8月29日付「お問い合わせ」に対して、同社より協議の申し入れがありました。そこで、当
  団体の検討グループメンバーは、同社と2013年9月25日、当団体の事務所において、当団体「お問い
  合わせ」にかかる事項について、面談協議・意見交換を行いました。同社より「商品売買契約書及び
  工事請負契約書」の提供がありました。同社より現在約款を作成中である旨表明がありました。
(3)2013年11月18日
   同社より2013年8月29日付「お問い合わせ」に対する回答を受領しました。
(4)2014年10月27日
   同社の回答を検討したところ、依然として消費者利益の保護の観点から見て、いくつかの問題点や
  疑問点が散見されるとして、「再お問い合わせ」を送付しました。
   ・「再お問い合わせ」(別紙 PDF
(5)2014年12月2日
   2014年10月27日付「再お問い合わせ」に対する回答を受領しました。
(6)2015年1月28日
   回答を検討したところ、同社の見解と約款に不整合があると考えられると判断し、同社に対し協議
  を求める「ご連絡」を送付しました。
(7)2015年3月6日
   同社と協議を行いました。同社から約款を再度改訂する旨表明がありました。
(8)2015年11月2日
   同社から新しい契約書を作成するまでの間、約款に添付する文書の開示がありました。
(9)2015年11月26日
   当団体は、同社に対して、「ご連絡(「お問い合わせ」活動終了通知)」を送付しました。
  ・「ご連絡(「お問い合わせ」活動終了通知)」(別紙 PDF
(10)2016年1月12日
   当団体と同社は、本公表文書を双方で確認しました。
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