KC’sは消費者被害の回復ができる特定適格消費者団体をめざします。
貸金業者ニューファイナンス(株)に対する「契約条項使用差止等請求訴訟」の判決が4月23日に出されました。
2009.04.24(No.10000064)
貸金業者ニューファイナンス(株)に対する「契約条項使用差止等請求訴訟」の判決が4月23日に出されました。判決の概要は、以下の通りです。

(1) ニューファイナンスが使用する早期完済の場合の違約金条項について、裁判所は、今後、条項を使用した契約締結の停止を命じる差止判決を下しました。
(2) 他方、同社が過去に使用していた、借主が期限の利益を喪失した場合の違約金条項については、同社が既に使用を中止し、訴訟において今後も同条項を使用しない旨表明していることを理由に、差止めの必要性はないとして、請求を棄却しました。
 判決は、KC’sが、差止請求をした2種類の契約条項の内、現に使用されている早期完済違約金条項についてKC’sの請求を認め、現在は使用されていない期限の利益喪失時の違約金条項についてはKC’sの請求を認めなかったわけですが、消費者に不当な不利益を課す契約条項であって使用されるべきでないとKC’sが考えた2種類の契約条項は、一つはその使用停止を現に実現し、他方も実現に向けた大きな一歩となる判決を得られた点で、十分に評価できる判決であると考えます。
 もっとも、事業者が不当条項の使用を一旦停止したことをもって、今後も使用されるおそれがないと安易に判断することには問題があります。事業者が、当該条項が不当であることを認識した上で削除したのであればともかく、当該条項が不当であるとは思っていないが別の理由で当面使用を停止しているだけであるような場合には、その「別の理由」がなくなれば当該条項の使用を再開する可能性は大いにあるからです。

 この判決は、適格消費者団体の差止請求について裁判所が判断を示した実質的には初めての判決です(注)。本判決が、今後の消費者団体訴訟制度の発展に役立つことを大いに期待します。

(注) これまで、消費者団体訴訟制度に基づく判決としては、主たる差止請求部分については被告事業者が認め(認諾)たことで解決した事案に関して、付随的な請求部分を却下する判断をした判決が1件あるのみ。
また、これまでに、消費者団体訴訟制度に基づいて提起された訴訟において、判決以外の形で(裁判上の和解により)解決にいたった事案が1件(当団体が提訴した「退去妨害等の不当勧誘の停止等を求める差止請求訴訟」)ある。