株式会社ミニミニ京都から1月20日送付の賃貸住宅契約書に関する「申入書(訂正版)」に対する文書回答を1月26日に受領しました。
2009.01.26(No.10000055)
 株式会社ミニミニ京都の賃貸住宅契約書(改訂案)では、当団体が問題としていた条項の相当部分について、問題点を改善する改訂が行われましたが、なお消費者契約法その他の法律に反し不当と思われる点があると判断しました。
従って、当団体は、同社の賃貸住宅契約書(改訂案)に関する「申入書」を1月7日、ならびに1月20日に「申入書(訂正版)」を送付しました。

 3点の申入れの理由は、下記の通りです。
[1] 保証金条項について
 本条項は、賃貸借契約終了時の保証引き等を認める旨の定めであると受け取れますが、敷引特約が消費者契約法第10条に違反し無効であるとする裁判例も出されていることからすれば、同社の本条項も同法同条に違反し無効となる可能性があります。
[2] 駐車場条項について
 賃貸人には賃借人に対して目的物を使用収益させる義務があり(民法601条)、同義務は、賃貸借契約における賃貸人の本質的な義務であるところ、本条項は賃貸人の同義務を一方的に免除するものであります。
 同社の本条項は、消費者である賃借人の権利を制限するものとして、消費者契約法第10条によって無効となる可能性があります。
[3] 管轄裁判所に関する合意条項について
 本条項は裁判管轄を定めていますが、これが専属的合意管轄の定めであるとすれば、本来管轄のない物件所在地を管轄とすることで、物件の賃貸人や仲介業者・管理業者にとって利益となる一方、退去して遠方に引っ越した賃借人にとって提訴・応訴の権利を制限し、信義則に反して一方的に害することになり、消費者契約法10条の趣旨に反すると思われます。裁判例としても、このような場合、付加的な管轄の合意であると解釈するものもあります。
 したがって、本件裁判管轄の意味について、まず専属的合意管轄であるのか付加的合意管轄であるのかの区別を明確にすべきであり、もし専属的合意管轄であるとするならば本条項の削除を求めます。

 その後、同社より「申込書(訂正版)」に対する「回答書」を1月26日に受領しました。


[この間の経過]
・2008年 6月30日 当団体より「お問合せ」送付 
・  〃  7月18日 同社からの申し出による協議
・  〃  10月10日 同社から「賃貸住宅契約書」改訂案を受領
・2009年 1月 7日 当団体より「申入書」送付  
・  〃  1月20日 同社から1月8日に、当団体「申入書」の記載内容について指摘があり、改めて当団体から「申入書(訂正版)」送付 
・  〃  1月26日 同社から「回答書」受領 
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